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O・ヘンリ賞受賞作品を読む




1981年
ジョン・アーヴィング「インテリア空間」


ある大学町で泌尿器科の医者をするジョージ・ロンカーズは、妻に先立たれたばかりの老オーストリア人ケスラーから家を購入する。購入後、インテリアの趣味はもっぱら妻であるキットが担当。彼女は建築学科の院生でインテリアについてはうるさく、教育助手として「インテリア空間」という授業を受け持つほどだった。壁を取り払い、戸口をアーチ形にして、窓は楕円に。天井が高いから改装がしやすそうという彼女の意見に、ケスラー老人は「これも、この壁も壊し取るですか?」と目を丸くしていたほどだ。
そんな家の中で、ジョージのお気に入りなのは、家の側面に立っているブラックウォルナットの大木だった。この木の新緑を抜けて部屋に入ってくる暖かい日射しが何とも清々しい。しかし、隣に住むバードロング夫妻はこの大木により実害を受けていると言って、どうにかして切り倒してしまいたいと思っているらしい。
この後、せめて木の半分だけでも切り落とそうとする隣人との間で事件が起きる。また、アーヴィングお得意(?)の性病ネタでもひと騒動。ジョン・アーヴィングといえば、やっぱり長編だと思うが、これまで彼の作品を読んでいない読者にとっては、本作品はアーヴィングの世界を垣間見る入門書として格好のものかもしれない。
(小川高義訳/新潮社『ピギー・スニードを救う話』他、サンリオ『ジョン・アーヴィングの世界』所収)
                           (2003.9.19/B)

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