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O・ヘンリ賞受賞作品を読む




1949年
シャーリー・ジャクソン「くじ」


6月27日。今年もくじ引きの日がやってきた。その日はさわやかな日ざしと温かさに満ち、とても晴れやか。午前10時近くになると、村人たちが広場にどんどん集まり始めた。
住民の多い町ではくじ引きの準備をするのにも一苦労だが、この村は全部で300人ほどしかいないので、行事自体を済ますのにも2時間もあれば事足る。この行事は今年で77年目という村の最長老のワーナー爺さんが生まれるずっと前から行われており、誰もその起源を知らないほど古かった。
さて、くじはまずそれぞれの一家の代表が引く。その後、当たりを引いた家のものがもう一度引いて当選者を決めるという慣わしになっている。進行役のサマーズ氏の音頭で行事が始まった。ハッチンスン、ダンバー、ワトスン…。次々にくじを引いていく。結果、今年の当たりくじを引いたのはハッチンスン家だった。そのため、主のビルと妻のテシー、そして子供のビル・ジュニア、ナンシー、デーヴの5人が2回目のくじを引く。果たして当たりくじは誰が引いたのか。それは妻のテシーだった。
くじ引きの無効を訴えるテシー。しかし彼女の訴えは誰にも聞き入れられない。それが村の“掟”だったからだ。
くじの当選者は何がもらえるのか?そして彼女の運命は?何年も何年も続くこの行事にはどんな意味があるのか?
作品発表当時、ものすごい反響があったのも頷ける。
(深町真理子訳/早川書房『新版・異色作家短編集12』所収)
                           (2004.8.30/B)

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