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O・ヘンリ賞受賞作品を読む




1964年
バーナード・マラマッド「ユダヤ人鳥」


ハリー・コーエンと妻のエディ、息子モリスの3人が夕食を取っていた時、台所の開いた窓から一羽のやせこけた鳥が飛び込んできた。その鳥は疲れ切った薄汚れた黒い翼を重たげに動かしドアのてっぺんに行くと、とまって3人をじっと見下ろしている。そしておもむろに「ゲヴオルト、ア・ポグロム」としゃべった。この鳥はなんと言葉を話せるのだ。「いまのイディッシュ語だよ」とモリス。聞くと、その鳥は追われているのだと言う。
「誰に追われてるの?」と聞くエディに、反ユダヤ主義者にだと答える。「でも、あんただってカラスでしょ」と再び尋ねると、「わしはユダヤ人鳥(ジューバード)じゃよ」と答え、名前はシュウォーツだと名乗った。腹を空かしたシュウォーツに食事をあげる3人。ハリーは、この鳥の口ぶりや態度が気にくわなかったため、「食べ終わったら飛んでいくんだぞ」と言ったが、しばらくの間静養させた末、エディとモリスの反対で家で飼うことになった。しかし、ハリーはどうしてもシュウォーツの態度が気に食わず…。
ユダヤ系作家マラマッドが描いた何とも奇妙で風刺のきいた作品。それにしても、ここまで風刺してよいものなのだろうか。
(佐伯泰樹訳/白水社『アメリカ・ユーモア文学傑作選─笑いの新大陸』所収)
                      (2004.9.16/B)

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