2011.8.4

4年以上ぶりのご無沙汰になってしまいました。
どのページもほとんど更新できておらず、死に体状態といってもよいほどですが、久方ぶりの浮上です。
それは、大きなニュースがあったから。
ウッドハウスの文庫化やヘレン・マクロイ、クロフツの復刊にも驚きましたが、
それら以上に驚いたのは、渡辺温の作品集の文庫化。
これは本当、めちゃくちゃ嬉しい。
渡辺温はムセイオンの特集で取り上げていましたが、
いつの間にかリンクがはがれ、しかもページソースも行方不明。
これまで、そのままの状態にしてしまっていました。
それが、今月末の発売と聞いて…。
渡辺温ならでの、あの独特の世界観。
いいんですよね。
とってもとても、待ち遠しいです。
文庫とは思えないほどのお値段ですが、みなさんもぜひ読んでみてください。
                              管理人B

2007.1.7

あけましておめでとうございます。
年頭にあたり、昨年同様、今年の方針を考えてみました。
今年は俗に言うメジャー作品も精力的に紹介していこうと思っています。これまで、メジャーなものは他のサイトに任せてと思っていましたが、そこはやはり放ってはおけず。学校で習うようなものも“何を今さら的”に紹介していきます。
あとは、毎回書いていますが既存企画の充実を図ること。そして、「○○を読む」といった主旨のものを、さらにいくつか立ち上げられればと思っています。
こう書くと計画が壮大すぎて全部を実現できそうにありませんが、できるだけたくさんの地域のさまざまなジャンルのいろんな作家を少しでも多く紹介できればと思っています。
本年も何卒「文芸誌ムセイオン」を宜しくお願い致します。
                              管理人B

2006.9.13

ここのところ、大正・昭和初期の文学作品を攻めていることもあって、江戸川乱歩の作品をいくつか読み漁っています。味わい深いという言葉は不適切かもしれませんが、乱歩は何度読んでもよいものですね。今日は「陰獣」を読みました。このおどろおどろしさ、いいです。
“次は何を読もう?” …嬉しい悩みです。あなたのお気に入りの乱歩は何ですか?
                              管理人B

2006.6.8

みなさんは中野実という作家をご存知ですか?昔、明朗小説なるジャンルが巷でブームになっていた頃の流行作家です。 私自身、最近までこの種の小説はあまり読んだことがなかったのですが、年を取ったということでしょうか。読むと、これがなかなか面白い。作品のいたるところにダジャレが鏤められていて、登場する若い女性までもがおサムいギャグを言い放つその語り口は、今の日本では時代遅れだとしかいいようがありません。ですが、この時代遅れぶりが突き抜けているので、逆に新鮮でレトロな趣を出しています。
また、明朗小説のジャンル特有のネーミングセンス。『恋愛百貨店』『この恋百万ドル』『恋愛百メートル自由形』『花婿三段跳び』『乾杯若旦那』…。何と魅惑的な作品タイトルではありませんか?相当の美的センスを備えていなければ、こんなタイトルは付けられません。
そこで、ムセイオンでは、今こうして他のどのメディアも取り上げようとせず、どんどん忘れられつつある作家は、積極的に取り上げようと思っています。というわけで、ます初めに『新婚リーグ戦』を昨日アップしました。このままいくと、中野実の他にも、もしかすると鳴山草平、鹿島孝二、北条誠、藤沢桓夫といったかつてのビッグネームの作品も紹介するかもしれません。
                              管理人B

2006.4.1

こんにちは。ここに書き込むのは久しぶりですね。
もうご覧いただいたかどうか分かりませんが、「いつかは」と思っていた英語ページを見切り発車的にアップしました。一応、「念願の」ということになります。まだ志賀直哉の、それもほんの一部分しかアップできていませんが、英語ページは外国の方を意識して、日本文学から先にアップしていければと思っています。
英語のページを作っている時、訳がどうという以上に不安だった(&今も不安な)のが、文字化け。ちゃんと文字化けせずに表示できているのでしょうか? とても心配です。
日本語ページも大風呂敷を広げたままになっているのに、英語ページまで作っちゃうのと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、その点は何卒ご容赦くださいませ。
                              管理人B

2006.1.2

あけましておめでとうございます。
年が変わって2006年。今年はどんな作品を紹介しようか、いろいろ考えてみました。
まず、これまでに一作品も紹介できていないカテゴリーはなるべくなくしていきたいと思っています。このことはいつも考えているのですが、看板だけ立てておいて、開店休業というのはみっともないので、少しでも解消できればと思っています。現在予定しているのは、全米図書賞で『異境』(コジンスキー)、アメリカ・カナダ文学でジョン・チーヴァーなど。
そんなことを書いていて、いきなり前言撤回していたらすみません。
そして、O・ヘンリ賞やウッドハウス、新思潮などはとても中途半端なレビュー数ですので、もっと紹介していければと思っています。
また、フランス文学や“作家で読む”の各ページは何とか格好がつく形にできればいいですね。特に志賀直哉については、彼の作品を網羅的に紹介しているサイトを見たことがないので、一ファンの目から見た作品紹介ができればと思っています。ただどこまでできるか…。(文学研究というような高尚なものはできませんので、先にお断りしておきます。)
あと、できれば志賀直哉とともに敬愛する芥川龍之介のページも将来は作りたいのですが、これは取りかかると大変そうですね。
とにかく、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
                              管理人B

2005.12.17

今年のノーベル文学賞はピンターに決まりました。
…と書き出すと、一昨年と同じなので、今回はウッドハウスについて。
今年に入ってから、ムセイオンで重点的に取り上げているのがP・G・ウッドハウス。今月15日には文藝春秋から選集の第二弾である『エムズワース卿の受難録』が発売されました。最近、書店に足を運ぶと、国書刊行会から出ているウッドハウス本と一緒に表紙を見せるようにして書棚に並べられていて、まるで英米文学コーナーの主のような存在になっています。こんな光景を誰が予想していたでしょうか?ウッドハウスもここにきてやっと報われたような気がします。
ムセイオンでは全邦訳作品の紹介をめざしていますが、現時点で数えてみるとレビューアップ済みのものが40。未アップ分が国書刊行会の近刊ものを含めて、まだ91あります。文藝春秋から出る予定の『マリナー氏の冒険記』に収められる作品を入れていないので、(既訳、初訳の別はあるとしても)100近い作品がまだ紹介できていない勘定です。140もの作品が訳されていると考えると、決して少ない数ではないのかもしれません。
短編作品だと1日1つのペースで読めるので、後はレビューを書くだけというものが多々あるのですが、レビューがなかなか追いつきません。これからはもっとポケミスを読んでいきたい、新思潮も、やれ仏文学もチーヴァーも…となってくると、残り100弱の“レビューアップ完了”の声を聞くのはいったいいつのことになるのやら。
                              管理人B

2004.12.28

私は日頃からアンソロジーものをよく読むのですが、いろいろなアンソロジーを読んでいて大好きになってしまったのが、渡辺温とP・G・ウッドハウス。
二人の作品は「短編のすすめ」にも一つずつ取り上げていますが、もっともっと彼らの面白さをたくさんの人に知ってもらいたいと思い、「作家で読む」内に小特集として入れることにしました。
そこでせっかく入れるのなら、網羅的に紹介していきたいと思っているのですが、特にウッドハウスについては、恥ずかしながら2000以上あるといわれる作品の中のほんの一握り(20とか30とか)しか手にしたことがなかったりします。
そこで心やさしいウッドハウスファンの方にお願いが…。
戦前から昭和20年、30年代頃にかけてのウッドハウスの著作をお持ちの方で、見せてやってもいいという殊勝な方がいらっしゃれば、テキストをお貸しいただけませんでしょうか?コピーでも何でも結構です。
また、彼の邦訳のタイトルと原題を照らし合わせてみたいのですが、この辺りの情報をお持ちの方がいらっしゃれば、ご教示いただけませんでしょうか?
海外のサイトを少し見たのですが、いくつか検討がつくのはあれ、本当にそれが正しいのかやはり確信は持てません。
本来なら、原文テキストと邦訳を照らし合わさないといけないのでしょうが、それもままなりません。
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。
                              管理人B
お借りしたい書目は こちら です。
※リスト出しの際には、勝手ながら真田啓介さま編集のサイト
http://www1.speednet.ne.jp/~ed-fuji/X02-wodehouse.html)を引用させていただきました。

2004.8.28

管理人Bです。大変ご無沙汰になってしまいました。
1年近く、なかなかサイト更新することができませんでしたが、これからはできるだけ多くの方にご愛顧いただけるよう、少しずつ更新を試みようと思っています。
お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、手始めに「O・ヘンリ賞を読む」「ポケミスを読む」を少しずつreviseしています。まだ、ご覧になられていない方はぜひご覧になってください。また、ご感想もお待ちしています。
                              管理人B

2003.10.3

今年のノーベル文学賞がクッツェーに決まりました。南アフリカからの受賞者はゴーディマに次いで2人目となります。クッツェーの出身地であるケープタウンへは、数年前にムセイオン共同編集者の伊藤と一緒に行きましたが、その時はそれほど荒れているイメージはありませんでした。あれから暴動が起きたりして危険な街というイメージがぬぐえなくなってしまいましたが、きれいなところなので、将来また行ってみたい街でもあります。
なお、彼の代表作『恥辱』『マイケル・K』については、追って紹介していきたいと思っています。
                              管理人B

追記

御覧になっていただいている皆様、こんにちは。サイト管理している伊藤です。これからも様々な形で小説を中心とした種々様々な情報を掲載していこうと考えております。今後とも宜しく御覧下さいませ。

管理人Bが南アのノーベル賞作家二人を挙げているのでわたくしも一言。御存じの通り南アでは犯罪、テロが多発していて確かに暗いイメージがあるような気がします。とはいえ、最近ではK-1をはじめスポーツ選手の活躍や、小説など文化的側面を見ていると南アという国家が誕生して以来初めて本当の平和が訪れつつあるのかなとも思います。南アは自然豊かで、天然資源も豊富な所ですし、元々白人達の手によって近代化がすすめられた場所です。日本の都市で暮らす者にとっては、アフリカ大陸中央部や西部とは違ってかなり過ごしやすい所です。小説では、女性では数少ないノーベル作家ゴーディマの『バーガーの娘』を読んだことあります。不安定な政権下における知識人の嘆きがひしひしと伝わってくる彼女の作品を読んで、小説に対する考え方、作家としての問題意識など彼女の熱いメッセージを感じました。物語を楽しむだけの単なる娯楽としてのメディアが小説ではないという、ある意味小説の存在意義を問いただした彼女の行為を考えるとノーベル賞を受賞した理由がうなずけるような気がします。

                              管理人A

 

2003.8.28

管理人Bです。ムセイオンでは、「文学賞を読む」で新たにO・ヘンリ賞を取り上げようと思っていて、現在受賞作品リストを作成中なのですが、作っていてびっくり。これがまたビッグネームのオンパレードなんですよね。フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、フォークナー、スタインベックといった大御所からはじまって、カポーティ、サローヤン、ボウルズ、サリンジャー、アップダイク。それにカーヴァー、ジョン・アーヴィング、バーセルミ。はたまたピンチョンやマッカラーズ、パトリシア・ハイスミス、レイ・ブラッドベリ、ウディ・アレンなんかも受賞してるんです。文学賞というと、何かしらの文学的傾向がありそうなものですが、この賞は守備範囲が広すぎる。このラインナップを見てると、アメリカっていろんな人いるよなーとつくづく思ってしまいました。O・ヘンリ賞は優れた短編小説に与えられる賞なので、アメリカの芥川賞みたいなものかな?と思っていましたが、ちょっと違うようですね。
リストをアップ次第、順次レビューを上げていこうと思っていますので、乞うご期待。

2003.8.27

『「新思潮」を読む』はご覧になっていただけていますか?人によって好みが分かれてしまうジャンルなのでしょうが、他のページ同様、よろしくお願いします。
ところで現在のところ、レビューをアップしているのは2作品のみですが、読み進めていくうちに、ある壁にぶつかってしまいました。それは作家についてです。情けない話ですが知らない作家が多すぎる。できる限り、作品と一緒に作家紹介もしていきたいと考えていますが、それもママならない状況になっています。
そこで国文学を学んでいらっしゃる方、日本文学に詳しい方で「この作家なら知っているよ」という方がいらっしゃれば、ご教示いただけませんでしょうか?先日、この時代の日本文学に詳しい方に「同人がいろんなペンネームを使って書いているんじゃないか」というご指摘を受けました。そう言えば、柳川隆之介などは芥川龍之介の変名と言われても納得してしまいますもんね。
情報をお寄せいただきたいのは、松井春二、山宮允、草田杜太郎、秦豊吉、玉木美吉、井川恭、半田良平など。要はほとんど全員です。小説作品を中心にレビューアップしていこうと思っていますので、そのあたりの作家についての情報がほしいです。ぜひご協力ください。

【後記】
草田杜太郎は菊池寛のペンネーム。秦豊吉は『西部戦線異状なし』の翻訳で知られる作家のようです。井川恭、半田良平についてはいくつかのサイトで紹介されています。
                         

2003.7.15

文学史に登場する本はいい本に違いない!
そんな幻想に半ば取り憑かれながら、高校時代に現国の副読本として使っていた文学史の本を取り出し、継続的に一冊ずつピックアップして読んでいる。国語の副読本ということもあって、日本文学に偏った内容になってはいるが、ライターを生業にしているものとして、日本語の作品は格好の教科書になると信じている。
そんなわけで時間があれば書店に足を運んでいるのだが、困っているのは読むことのできない作品が多すぎるということだ。値段と置き場所の2点から基本的に文庫で読むようにしている私にとって、この「文庫で読む」にはどれだけ障害の多いことか。鴎外、漱石、芥川といった文豪中の文豪については、新刊書店でも容易に手に入れることができるが、少し外れるとまったくと言ってよいほど読めなくなってしまうのだ。岩波文庫講談社文芸文庫ががんばってくれてはいるものの、やはりないものはなく、どうしても以前新潮角川などで出ていたものを古書店で探したり、それでもなければ図書館で借りたりということになってしまう。
私がこうして掘り出した(この表現もおかしいが)本のなかで、面白く読めた作品には次のようなものがある。
照葉狂言(泉鏡花)、地獄の花(永井荷風)、はつ姿(小杉天外)、哀しき父(葛西善蔵)、牛乳屋の兄弟(久米正雄)、入江のほとり(正宗白鳥)、神経病時代(広津和郎)、三等船客(前田河広一郎)、氷る舞踏場(中河与一)、業苦(嘉村磯多)、牛山ホテル(岸田国士)、生物祭(伊藤整)、癩(島木健作)、聖ヨハネ病院にて(上林暁)、如何なる星の下に(高見順)、崩壊感覚(野間宏)、自由の彼方で(椎名麟三)、山の手の子(水上滝太郎)など。

芥川賞を取ったあの本が?、直木賞作品のあの本が?、と思わず首を傾げてしまう作品がないということも決して少なくない。芥川賞作品はいざとなれば芥川賞全集を読めば事足りるが、直木賞作品となると、直木賞全集があるわけでもなし。1冊1冊が苦労の連続だ。


いろいろな本を読んでいて思うのは、現役で残っている本だけが面白い本というわけではないということ(まあ当然の話)。新刊書店の棚から消え去ってしまった数々の本の中にも、名作と言えるものがたくさんある。文学史にも登場するような作品ぐらいは、日本文学全集の文庫版として出してもらえないものだろうか?1冊2000円も3000円もすると、ちょっと買って読んでみようというわけにはいかない。まして学生などにはそんな余裕は全然ないだろう。かつての春陽堂のシリーズではないが、日本名作文庫シリーズ(できれば世界名作文庫シリーズも)なるものをどこの出版社でもいい、出してもらえないものだろうか?最近の刊行ラインナップを見る限り、ちくま文庫や河出文庫などからなら、出ても不思議ではない気もするがどうだろう?


私にとって、ずっと探していた本を古書店で見つけだしたときほど嬉しいことはない。しかし、こういった本が新刊書店に置かれ、いつ訪れても手にすることができれば最高なのに、とも思う。
 

                              管理人B   
           

 

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