志賀直哉を読む




「或る親子」


父と母に聞いてほしいことがあるが、なかなか切り出せないでいる私。
古道具屋をしている父は、そうこうするうちに公売に参加するために出かけようとする。
少し急く私だったが、父には声をかけられず忙しくしていた母に、先に声をかけた。
「お母さん忙しいな?」
「え、もう済んだよ」
「さう、少し聴いて貰いたい事があるんぢゃが……」
そして、「お父さんにも……」と恐る恐る言う私。
「オイ、一寸来い」と母を呼ぶ父。母は濡れた手を前掛けで拭きながらやってきた。……。
私の緊張した一瞬。短い文章の中に、親子の心情が事細かに盛り込まれていて気持ちがいい。

登場人物



                      (2006.12.30/菅井ジエラ)

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