P・G・ウッドハウスを読む



『ドクター・サリー(Doctor Sally)』(1932)


(以下、1968年初夏号に掲載されたあらすじを引用)
老神経科医ヒューゴー・ドレイク卿は甥のビル・バニスターのプレイボーイぶりに手を焼いている。元舞台女優のロッティをつれてビングリーゴルフ場に来たビルはそこで見かけた美少女にすっかり心を奪われてしまった。ロッティの昔の夫スクィフィーこと旧友ティドマス卿の助けを借りてサヨナラを納得させようとするとロッティは激怒しヒステリーの発作を起す。ビルはあわてて医者を呼びにやったが、ボーイに伴われて入って来たのは例の美少女サリーだった。
(ここまで)

ビルの役回りはジーヴスものでいうバーティ・ウースターといったところ。とすると、ティドマス卿がビンゴで、ドレイク卿がアガサ叔母さんだといえるかもしれない。この物語ではジーヴスのような人物は登場せず、ニヤニヤ笑いながら読むという類のものではないが、物語の中に読み手をぐいぐい引き込んでいくその筆さばきは見事。随所に見られる上品なユーモアとおしゃれな結末には、“さすがウッドハウス”と唸らせられる。
「デリカ」は千趣会が出していた女性ファッション誌だが、このような淡い恋愛物語は確かに女性誌向きかもしれない。

★所収本
・井上一夫訳/千趣会出版「デリカ」1968年新春号〜1969年春号連載(ドクター・サリー)

                      (2005.10.1/菅井ジエラ)

 

 

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