P・G・ウッドハウスを読む



『比類なきジーヴス(The Inimitable Jeeves)』(1923)


気は優しいが少し頼りないバーティーと、彼の執事でどんな難問もたちどころに解決してしまうジーヴス。
彼らのまわりで起こるできごとを面白おかしく描いた作品。
珍しく、ジーヴスの恋愛ネタなども入っている。
本作品は長編の体裁をとってはいるものの、元はそれぞれが短編として発表されたもの。
章立てするにあたって加筆再編された(詳細は下記参照)。
バーティー&ジーヴスは数あるウッドハウスの作品の中でも1、2を争う人気シリーズで、
これほどまで“ニヤニヤしながら”読めるものは珍しい。
これは、彼らふたりはもとより、アガサ叔母さん、ビンゴ・リトル、クロード&ユースタスなど脇を固める登場人物の誰もが個性的で、一人ひとりのキャラクターが変人とまではいかない、一歩手前のギリギリの線で設定されていることに起因しているように思う。
多くが絶版・品切れで憂き目をみないウッドハウス作品の中で、この作品は現在新刊書店で購入することができる。最近、面白い本に巡りあっていないと嘆いている方にぜひおすすめしたい一冊だ。

★所収本
・森村たまき訳/国書刊行会『比類なきジーヴス』
・岩永正勝・小山太一共訳/文藝春秋『ジーヴズの事件簿』

                      (2005.5.1/菅井ジエラ)

※以下、01〜18章は本作品の目次内容。矢印(→)の後に書かれたものが、それぞれの元となった短編作品タイトル。

01章「ジーヴス、小脳を稼働させる(Jeeves Exerts the Old Cerebellum)」&
02章「ビンゴが為にウエディングベルは鳴らず(No Wedding Bells for Bingo)」
→「ジーブスと春の訪れ(Jeeves in the Springtime)」

03章「アガサ叔母、胸のうちを語る(Aunt Agatha Speaks Her Mind)」&
04章「真珠の涙(Pearls Mean Tears)」
「従僕と怪盗(Aunt Agatha Takes the Count)」

05章「ウースター一族の誇り傷つく(The Pride of the Woosters is Wounded)」&
06章「英雄の報酬(The Hero's Reward)」
「ジーブスがいなくては(心配係の休暇)(Scoring Off Jeeves)」

07章「クロードとユースタス登場(Introducing Claude and Eustace)」&
08章「サー・ロデリック昼食に招待される(Sir Roderick Comes to Lunch)」
→“Sir Roderick Comes to Lunch”

09章「紹介状(A Letter of Introduction)」&
10章「お洒落なエレベーター・ボーイ(Startling Dressiness of a Lift Attendant)」
→“Jeeves and the Chump Cyril”

11章「同志ビンゴ(Comrade Bingo)」&
12章「ビンゴ、グッドウッドでしくじる(Bingo Has a Bad Goodwood)」
→“Comrade Bingo”

13章「説教大ハンデ(The Great Sermon Handicap)」→“The Great Sermon Handicap”

14章「スポーツマン精神(The Purity of the Turf)」→「清潔な運動会を(The Purity of the Turf)」

15章「都会的タッチ(The Metropolitan Touch)」→「ビンゴ青年行状記(The Metropolitan Touch)」

16章「クロードとユースタスの遅ればせの退場(The Delayed Exit of Claude and Eustace)」
→「双生児綺譚(The Delayed Exit of Claude and Eustace)」

17章「ビンゴと細君(Bingo and the Little Woman)」&
18章「大団円(All's Well)」
→“Bingo and the Little Woman”



 

 

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