P・G・ウッドハウスを読む



「放蕩息子(The Prodigal)」(1903)


「恐れ入りますが、ヴィクトリア駅行きの車はどこで捕まるか、お教えいただけませんか」
ストランドで、私にそう話しかけてきた男を見て驚いた。
「しかし貴方は驚くほど、私の旧友にそっくりですねえ。その、シャーロック・ホームズに」
彼はあり得ないほどシャーロック・ホームズに似ていた。
もし滝壺深くに彼が沈んでいることを知らなかったら、私は彼が本人だと思ったことだろう。
だが、その時、彼からさらに驚く答えが返ってきた。
「それは私の名前ですよ」
「で、君はシャーロック・ホームズなのか!」

……ウッドハウスの他の作品と比べると、まとまり感に欠けるが、それでもところどころで見られるちょっとしたユーモアには彼らしさが出ている。

★所収本
・高田寛訳(?)/河出書房新社『シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶』(放蕩息子)

                      (2006.3.18/菅井ジエラ)

 

 

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