P・G・ウッドハウスを読む



「スープの中のストリキニーネ(Strychnine in the Soup)」(1931)


釣魚亭の酒場にやってきた「強ビール」氏の顔が冴えない。聞いてみると、読みかけの探偵小説を汽車の中に忘れてきてしまって、気になってしょうがないのだと言う。そんな彼を前に、マリナー氏が語りはじめたのは「強ビール」氏以上に探偵小説に夢中の甥のシリルについてだった。
シリルがセントジェームズ劇場で上演していた“白髪鬼”の芝居を見に行った時のこと。彼は隣に座っていたアメリア・バセットという女性に一目惚れしてしまう。聞くと彼女も探偵小説に目がないらしく、共通の話題を通して急速に親しくなった。
しかし聞けば、彼女の母は自分の娘には『広々とした野外での仕事をする人』と結婚してもらいたいと思っているらしい。
そこで、シリルがまずすべきことは、アメリアの母に会って好かれることだった。
その絶好のチャンスが訪れた。彼女の母親はサセックスのウィンガム家に行っているそうだ。
そのため、自身も乗り込んで、よい返事を聞いてこようとするシリル。無事、彼は現地に到着することができたが、彼はこの婦人に気に入られ、ひいてはアメリアとの結婚を許してもらえるのだろうか?もらえるとしたら、一体どのような手によるものだろうか?

★所収本
・井上一夫訳/筑摩書房『マリナー氏ご紹介』、同訳/同『〈世界ユーモア文庫9〉マリナー氏ご紹介/トッパー氏の冒険』、同訳/同『マリナー氏ご紹介/マルタン君物語』、同訳/文春文庫・集英社・丸谷才一編『探偵たちよスパイたちよ』、同訳/早川書房「ミステリマガジン」1958年1月号<19号>(スープの中のストリキニーネ)
・岩永正勝・小山太一編訳/文藝春秋『マリナー氏の冒険譚』(ストリキニーネ・イン・ザ・スープ)
・長谷川修二訳/東成社『玉子を生む男』(スープの中の毒薬)
・上野三郎訳/「新青年」昭和14年特別増刊号(探偵小説時代)

                      (2005.2.18/菅井ジエラ)

 

 

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