『旧寮某室の出来事』玉木美吉
(第三次新思潮・第1巻第4号)



ある大学の寮で生活する学生の日常を描いた話。
それまで楽しくやっていた寮生活も、山下がこの部屋に来てから少しやりにくくなった。
というのも山下は“クソ”が付くほど真面目な学生だったからだ。
部屋の中で起こったことはすべて生徒監の知るところとなり、そのことで部屋のものが生徒監に呼び出されることもたまにあった。
また、机の上に置いてあった役者の絵葉書など“不健全”なものは知らぬ間になくなってしまっていた。
それらすべては山下がしていることだったので、中には彼を嫌う学生もいたほどだ。
そんな山下だが、彼には部屋のみんなが外出していたり、眠っていたりしている時にこっそり楽しむある秘密があった。
その秘密を同室のみんなが知ってしまったために…。
授業の出席の代返を友達に頼むシーンなどを読んでいると、ふと自分の学生時代のことを思い出す。
いつの世も、たとえそれが東大であっても一緒なんだな。
                     (2005.5.6/菅井ジエラ)



玉木美吉(?-?)
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