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O・ヘンリ賞受賞作品を読む




1956年(First Prize)
ジョン・チーヴァー「郊外住まい」


搭乗していた飛行機が不時着するという不幸に見舞われながらも、危うく難を逃れたフランシス・ウィード。ウィード家は6人家族で、ヘレン、ルイーザ、ヘンリー、トービーの4人の子供たちとともに、ニューヨーク郊外のシェイディー・ヒルという町に住んでいる。妻のジューリアは無類のパーティ好きで、一週間のあいだ毎晩パーティに招かれたとしても、“今度のパーティはこれまでに行ったパーティよりずっと素晴らしいかもしれない”と思ってしまう性格だった。
飛行機が不時着した次の日の夜、フランシスとジューリアはファーカスン家の晩餐に呼ばれ、楽しい夜を過ごす。そして帰宅後、二人が出かける時にいつも家で子供の面倒を看てくれているおばあさんのヘンライン夫人を家に送ろうと、フランシスは車の運転席で彼女を待っていたのだが、ドア口に現れたのは若い女性だった。“ヘンラインおばあさんは病気のため、代理で来た”と言い、アン・マーチスンと名乗る女性。フランシスは彼女を見て一目惚れしてしまう。
それ以来、フランシスの頭の中にあるのはいつも彼女のことばかり。夢にも彼女が現れ、二人で大西洋を横断したり、一緒にパリに住んでいたりする。
ところが、時を同じくして妻のジューリアがふとしたことがきっかけで「家を出ていく」と言い始め…。
著者のジョン・チーヴァーは、日本ではあまり知られていないが、本国アメリカでは短編、長編ともに名手として知られる実力派。このO・ヘンリ賞も、私の数え間違いがなければ10度受賞している。近々、A氏による邦訳が出る(出た?)と聞いているので、個人的に大変楽しみだ。
(渥美昭夫訳/白水社『現代アメリカ短編選集II』所収)
                           (2004.5.30/B)

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