ピエール・カミを読む






「十一番列車の怪盗」


今日の正午(今から1時間前)、十一番列車が狼の群に襲撃されるという事件が起こった。狼とは狼の仮面をつけた強盗団のことで、食堂車で昼食をとっていた乗客たちから洗いざらい有り金をすべて巻き上げたということだった。そして強盗団は仕事を終えると、非常ブレーキをかけて列車のスピードをゆるめ、一団みんな列車から飛び降りて姿をくらましたというのだ。警察は周りの百姓や牛飼いの男などに話を聞いたが、強盗団がどこに行ってしまったか皆目検討がつかなかった。
しかし、その話を聞いていたオルメスは犯人のだいたいの目星は付いたという。そして時刻表を見ながらいうのだった。
「いま三時だ、二十分して出る同じ線の急行がある。すぐ出かけるんだ!」
果たして、オルメスの推理はいかに?
(吉村正一郎訳/出帆社『ルーフォック・オルメスの冒険』所収)
                (2005.5.27/菅井ジエラ)

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